顛末書と始末書の違いは?クレーム対応の3つの例文・書き方を紹介!

顛末書

社会人として仕事を長く続けていれば、トラブルや事故と無縁ではいられません。

業務でトラブルや事故が起きたときは顛末書(てんまつしょ)が必要になります。

顛末書の提出を要求されたとき「そもそも顛末書とは何か」「どう書けばいいのか」という点がわからない人は多いでしょう。

この記事では、そのような人のために顛末書のルールや書き方、例文などをまとめていきます。

顛末書の書き方で悩んでいる方には、きっと参考にしていただけるでしょう。

この記事を読んで分かること

  • 顛末書とは何か
  • 顛末書の書き方
  • 顛末書の例文
  • 顛末書に関してよくあるQ&A
  • 顛末書の影響

書き方やルールがわかったとしても、やはり顛末書を提出するようなトラブルが起きること自体が面倒なものです。

特にそれが100%自分のせいではなかった場合「会社を辞めたい」という人も多いでしょう。

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顛末書とは

顛末書とは

顛末書は社会人でも初めて見聞きすることが多い単語です。

このため、まずは顛末書とは何かという概要から説明していきます。

顛末書の意味

顛末書はトラブルの報告書です。

  • どんなトラブルが起きたのか
  • なぜ起きたのか
  • どんな対処をしたか
  • 再発防止のために、今後どうするか

上記のような内容をまとめます。

始末書との違いは上司などトラブルを起こした本人以外も書くことがある点です。

基本的には会社内でトラブルの内容を共有するための文書です。

しかし、一部役所や公的機関などに提出するものもあります。

顛末書が必要な場面

顛末書が必要な場面は、仕事で下のようなトラブルが起きたときです。

  • 重大なミス・不始末
  • セクハラ・パワハラなどの不祥事
  • その他のトラブル

このようなときに、その問題・トラブルの概要(一部始終)を報告する文書が顛末書です。

こうした文書を書くことは、誰にとってもストレスフルです。

自分が悪いならまだしも、同僚や上司の罪を着せられたり、足を引っ張られたりして書くことになるケースもあります。

そのようなときは特に、誰でも仕事や会社を辞めたくなるでしょう。

ただ「辞めてお金はどうするのか」という点が気になるかと思います。

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顛末書の書き方

顛末書の書き方

顛末書を初めて書く場合、多くの人は書き方がわからないでしょう。

ここでは、社内用と社外用に分けて、顛末書の書き方を解説します。

社内用の場合

社内用の場合、その会社ごとにルールがある程度決まっていることがあります。

そのため、まずは直接の上司にどのような形で書くべきか確認します。

自分で考えるように言われたら、そのとき初めて「一般的な書き方」を採用します。

一般的な書き方として、顛末書では下の内容を書きます。

  • お詫びの言葉
  • トラブルの経緯・原因
  • 対応内容と、今後の予防策

社内文書の場合、上記の内容を報告書の形でまとめるのが一般的です。

つまり、お詫び状のような文面ではなく、企画書などのように箇条書きするということです。

社外用の場合

社外に顛末書を提出するのは、主に以下のパターンです。

  • 子会社から親会社に提出する
  • グループ会社に提出する
  • 役所・公的機関に提出する

いずれの場合も、外部に対して提出するため詫び状のような文面で書くことが多くなります。

特に役所や公的機関に提出する場合は、詫び状の形が多くなるといえます。

一方、親会社やグループ会社への連絡では、社内用と同じく報告書の形式が多くなるものです。

どちらの場合も、書く内容は社内用と同じく「お詫び・経緯・原因・対応内容・予防策」となります。

詫び状の形式で書く場合は「謹啓」や「敬具」などの始めと結びの言葉も入れます。

顛末書の例文

顛末書の例文

顛末書を書くとき「例文を参考にしたい」という人は多いでしょう。

ここでは、商品トラブルや事故などのケース別に例文を紹介します。

商品トラブル

(商品を紛失したケースの例文です)

1.配送センターの副業町エリア担当の副島福太郎は、1月1日、本社からの指示により、(株)本業モール様より受注した「チョコレートパン」計30ケースを車両に積み込み、午後3時にセンターを出発した。

2.午後11時、副島は(株)本業モール・本店に到着し、該当の商品を搬入しようとしたが、この際に車両の後部扉が開いていたことに気づいた。降車して商品を確認したところ、計4ケースを紛失していることに気づいた。

3.副島はセンターから本店までのルートを往復し、落下物の確認を行った。しかし、見つからなかったため、先方店舗最寄りの副業交番に遺失届を提出した。

4.副島は配送センターに戻り、該当の商品4ケースを確保し、追加で納品を行った。翌朝のモール開店には間に合う時間だったが、本来の納品予定時間より3時間の遅延が発生した。

5.先方の業務にも支障が生じたため、(株)本業モールの本店長から本社へ苦情が寄せられた。

6.取引先からの信用を損なう事態を招いた副島に対して厳重注意を行った。また、配送センターの全スタッフに対し、出発前の後部扉の状況確認を徹底するよう指導した。

クレーム対応

1.経緯

令和2年5月5日、女性のお客様より当店のデリバリースタッフの連絡に不快感を覚えたとクレームを頂いた。

2.内容

該当スタッフが女性の電話番号に対してSMSを送り、不必要に事前や事後の連絡をしていたというクレームを頂いた。

3.連絡の内容

通常のデリバリースタッフなら行わない「今日はありがとうございました!」などのお礼を送信していた。女性が儀礼的に返信すると、それに対してもさらに返信をしていた。そのまま個人的なやり取りが継続することを期待しているような内容であった。

4.問題の程度

本人は深く反省しており、女性もSMSでの連絡さえなければ、今後も該当スタッフによる配送を許可して下さるとのこと。

5.対応

女性は数日に1回当店を利用してくださっているヘビーユーザーの方であるため、10,000円分のクーポンを発行させていただいた。

6.今後の対策

今後同様の事態が起きた場合に謝罪用のクーポンは該当スタッフの給与から天引きする旨を、全員に周知した。また、ミーティングを開き、お客様の個人情報を知っていることで起きうる問題を全員で話し合い、それらの問題を起こさないことを改めて徹底した。

事故

・事故の経緯

4月1日、当人が会社の業務用トラックを運転中、センター通りで左折をした際、左側から走ってきたオートバイと巻き込み事故を起こし、先方の副業ピザの車両を破損させてしまいました。

・損害状況

先方の運転手は全治4日程度の軽い怪我で仕事にも支障はないとの報告を受けました。また、この事故による先方車両の修理費26万8,000円は当方が負担することで示談が成立しております。

・事故の原因

調査の結果、事故の原因は本人の左折時の目視による確認が不足していたことと判明しました。

・今後の対策

先日営業課でミーティングを開き、今後このような事故を起こさないために、営業車の運転について、各自がこれまで体験した「ヒヤリハット」を共有いたしました。この聞き取りの中で、弊社営業課がよく回るルートの中で「危険なスポット」がいくつか存在することもわかりました。近日中にこれらの情報を資料としてまとめ、全員に配布いたします。

ここまで書いてきた内容が顛末書の例文ですが、どのような文章を書くにしても、やはり顛末書を提出する事自体が精神的に負担となります。

こうした仕事のトラブルが起きる度に、胃痛などの症状を発症してしまう人もいるでしょう。

仕事のストレスを避けるには、ブラック企業を辞めるのと同様に「より安心して働ける場所」を探すべきです。

「そんな場所はない」「仕事は大変なものだ」と思うかもしれません。

しかし、ブラック企業で働き続ける人もやはり同じことを考えているのです。

特に自死などの悲しい事件が起きてしまうと、誰もが「早く辞めればよかったのに」と思うでしょう。

しかし、当のご本人は「ここで働き続けるしかない」「仕事はどこでも大変なものだ」と思っていたはずです。

あなたが「今の仕事が大変でも続けなければいけない」という義務感を感じているなら、ブラック企業の社員さんのような思考停止状態に陥っているリスクもゼロではありません。

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顛末書・始末書をすぐ書かせる会社は危険?

事あるごとに、顛末書や始末書を書かせられる経験はありませんか?

そんな会社の危険性について詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。

顛末書は書かせられても問題ない

顛末書は基本的に反省をするものではなく、不祥事などの事実確認をするためのものです。

そのため、事実関係の記述にとどまり、反映や処分の対象にはなりません。

顛末書を書かせられる頻度が多い人は、自分でそのトラブルを起こさないように気を付けましょう。

会社としても再発防止を行うためのもので、本人にペナルティを課したいわけではないです。

始末書をすぐに書かせる会社は危険

始末書は頻繁に作成する書類ではなく、頻度が高い場合には注意が必要です。

始末書を何度も出していると、同じミスを指摘しても治らずに社員として不適切という根拠になります。

そのため、会社側が就業規則にのっとり、解雇処分を行える可能性が出てきます。

基本的には始末書を書かされたからと言って解雇にはありません。

しかし、解雇の要因にはなり得るので注意しましょう。

顛末書に関するQ&A

顛末書に関するQ&A

顛末書の書き方については、特に最初は多くの疑問が湧くものです。

ここでは、顛末書の書き方についてよくある質問と回答をまとめていきます。

顛末書は手書きで書くの?

顛末書は一般的にワードなどのワープロソフトで作成します。

理由は、報告書も兼ねていて情報量が多いためです。

情報として処理すべき長い文章を手書きで書かれると、読む側が読みにくいというデメリットがあります。

そのため、顛末書の本文はパソコンで書くべきです。

ただし、最後のお詫びの言葉などを肉筆で書く意味はあります。

これは誠意を伝えるためです。

ただ、見る相手がたとえば本社の社長など「明らかに遠い相手」である場合は、肉筆の謝罪も避ける方がいいでしょう。

手書き部分を入れるかどうかで悩んだら、直接の上司に相談するのがベストです。

この辺りのルールは会社の社風や所属する部署の雰囲気にもよるためです。

何にしても、顛末書の作成は厄介なものです。

このような会社のルールに嫌気が差した場合は、稼ぎやすいビジネスで独立を目指すのがいいでしょう。

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顛末書と始末書の違いとは?

顛末書と始末書の違いは、まず「社内文書か社外文書か」という点です。

始末書はほぼすべて社内文書です。

顛末書も大部分は社内文書ですが、一部役所などに提出するものでは、顛末書という名称が使われます。

次に「手書きかパソコンか」ですが、顛末書はほぼ全てパソコンで作成します。

一方、始末書は便箋に手書きする場合もあります。

これは、始末書には「個人的な反省文」という意味合いがあるためです。

また、始末書を見る人間は直接の上司が大部分で、普段からコミュニケーションがあることも理由です。

さらに「誰が書くか」という点も大きな相違点です。

始末書はトラブルを起こした本人が書くことがほとんどです。

一方、顛末書は本人とは限らず、上司や同僚など「最も適任と思われる人」が書きます。

また、提出時に作成者の名前だけでなく、下のような関係者の名前も書き、捺印などもするのが特徴です。

  • 関連部署長
  • 責任者

部署長と責任者が一緒のときもあります。

両者が違うケースは、たとえば部署長が課長、責任者が係長などのケースです。

その他の違いとしては「書式」が挙げられます。

始末書の書式は自由で、その会社や部署ごとの慣例に合わせます。

パソコンで作成することもあれば、手書きでの提出を求められることもあります。

便箋に手書きする場合は縦書きで書くのが一般的です。

顛末書は始末書以上に書式が決まっており、多くのフォーマットやテンプレートがWEB上にあります。

それらをダウンロードして、ワードや一太郎などのワープロソフトで編集するのがいいでしょう。

他には「提出の仕方」も違います。

始末書は白無地の二重封筒に「始末書」と黒字で書き、中に始末書を入れて提出します。

一方、顛末書の提出で封筒は要りません。

公的機関に提出する顛末書のみ、公的機関からの指示に従います。

顛末書を書くことでクビになる?

顛末書を書いてクビになることはほぼないので安心してください。

そもそも顛末書とは謝罪を促すものではなく、再発防止を目的としています。

そのため、顛末書を書いたことでクビに直結することはありません。

しかし、始末書は謝罪や反省を目的としているので、クビにつながる可能性があります。

顛末書を書かないと就業規則違反でクビにつながる場合があるので気を付けましょう。

顛末書を書くことでクビになることはまずないので、しっかりと記述するようにしてください。

顛末書は誰が書くのが良い?

顛末書は「最も適任と思われる人」が書くと説明しましたが、実際には当人が書くことが多いです。

事故などの再発防止のために、ミスをした人ではない第三者の人の視点で書くのが理想です。

しかし、実際はその現場にほかの人がいなかったり、当人でないとわからないことが多かったりと、ほかの人だと作成が難しい場合があります。

また、顛末書を書かせることで本人に対策を考えさせ再発防止に役立てる意味合いもあります。

顛末書は基本的にトラブルを起こした当人が「最も適任と思われる人」にあたると考えるのが一般的です。

そのため、事故を起こした張本人が顛末書を作成します。

顛末書の影響は?人事評価が下がる?

ここでは顛末書を書くことで起きる影響を解説します。

人事評価に関わるのかどうかから注意点まで解説しているのでぜひ参考にしてみてください。

基本的に顛末書は人事評価に影響しない

顛末書を書くことで人事評価に影響することは基本的にはありません

しかし、顛末書を書かされる理由となった不祥事が人事評価等に影響することは避けられません。

顛末書は業務上発生させた不祥事の経緯の顛末を書いた報告書で、問題の原因解明や対策を目的としています。

そのため、顛末書を書かされたからと言って直接的に人事評価に影響はしにくいです。

一方で始末書は反省を促す意味が強く、人事評価への影響や懲戒処分が伴う場合があります。

虚偽の内容や提出拒否は危険

自分のミスを軽くしようとして顛末書の内容を偽ったり、提出を拒否するのは非常に危険です。

隠蔽や提出拒否を行うと、最悪の場合懲戒処分が下るので正しい内容でしっかりと提出するようにしてください。

顛末書には自分をかばうような言い訳や表現はしないことが大切です。

基本的には顛末書の提出は就業規則に含まれているので、勤めている以上拒否することはできません

不祥事を起こした経緯と対策を明記して必ず提出する必要があります。

【まとめ】顛末書とは

【まとめ】顛末書とは

顛末書の概要やルール自体はそれほど難しくありません。

しかし、トラブルを起こす度にこのように周囲を巻き込んでしまうこと自体が、多くの人にとって心痛の種になるでしょう。

そのような会社組織での仕事から離れたい場合には、スマホビジネスのような稼ぎやすい仕事をして独立に向かうべきです。

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